審判の日の大いなる兆候(7/7):最後の大きな兆候

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説明: シリーズ最後の投稿では、審判の日間近に起きる最後の大きな兆候についてが言及されます。これらの兆候には3つの場所での地滑り、煙霧の発生、西からの日の出、大地の獣の出現、そして人々を特定の地へと追いやる炎の発生が含まれます。

  • より ジャマールッディーン・ザラボゾ (ゥ 2012 IslamReligion.com)
  • 掲載日時 21 May 2012
  • 編集日時 21 May 2012
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3つの場所での地滑り

ハディース(預言者ムハンマドの言葉)の引用で既述されたように、審判の日の大きな兆候の1つとして、3つの場所で起きる地滑りがあります。それには東で起きるもの、西で起きるもの、そしてアラビア半島で起きるものがあります。それらの出来事については、あまり詳しい叙述がされていません。したがって、それに関しては詳しく述べることが限られています。しかしイブン・ハジャルによる有名なハディース解釈では、地滑りは世界中の各所で頻繁に起きるものであるゆえ、審判の日の間近に起きる地滑りは、一般的なものと比べて大規模で熾烈なものとなるとしています1。神が最もよくご存知です。

煙霧

預言者(神の慈悲と祝福あれ)が言及した大きな兆候のうちの1つには、「煙霧」に関するものがあります。神はクルアーンにおいて、この出来事について触れています。

“待っていなさい、天が明瞭な煙霧を起す日まで。(それは)人びとを包む。(かれらは言う)。「これは痛ましい懲罰です。」”(クルアーン44:10−11)

ここでも、明確に述べられていること以外には付け加えるべきことはありませんが、預言者が次のように述べたハディースが存在しています。

“実に、あなたがたの主は3つ(の出来事)について訓戒されています。信仰者を寒気のように包みこむ煙霧、そしてそれは不信仰者の耳から出てくるまで彼らを腫れ上がらせるのです。”

西からの日の出

多くのクルアーン注釈者たちによれば、預言者のハディースに基いて、下記の下線が施された節は、復活の日の直前に起きる、西から日が昇る現象について述べられたものであるとされています。

“彼らは、ただ天使たちがやって来るのを待つのか、または主が臨まれるか、または(審判の日の接近を知る)主の印の一部がやって来るのを待つばかりである。主の何らかの印がやって来る日、前もって信仰して善行に励んでいない限り、彼らの信仰が魂に役だつことはないであろう。言ってやるがいい。「あなたがたは待て。私も待つものである。」”(クルアーン6:158)

 ある真正な伝承では、預言者が西からの日の出について言及した後、この節を朗誦したとされています。アル=ブハーリーは、預言者がこう言ったことを記録しています。

“「その時」は、日が西から昇るまでは確立されません。そして人々が(西から昇る日を)見るとき、彼らは皆信じるでしょう。そしてその時になって信じても、魂には何の益もないのです。”そして彼は節(6:158)を朗誦した。

預言者は数々の伝承において、この兆候は、人々がそれらを目にしたときには不信仰・疑念・拒否の余地が全くなくなるということを、これ以上ない程明確にしています。人がこうした兆候を経験し、現実にさらされるために、それが試練であるという感覚がなくなるのです。事実、そのときになると試練は終わっているのであり、個々人は目の前に結果が現れるのを見ることとなるのです。それゆえ、その時になってから信仰を受け入れることは無意味であり、神によって受け入れられないものとなるのです2

しかし、それが起きる前に神へと悔悟する機会、そして神の慈悲は常に開かれています。神の慈悲は偉大ですが、同時に公正でもあり、英知に基づいています。ムスリムは預言者が次のように言ったことを記録しています。

“(復活の日間近、)西から日が昇る前に(主の)悔悟を求める者へ、神はそのご慈悲をお向けになるでしょう。”

西から昇る日は、最も決定的な兆候のうちの1つであり、預言者はこう言っています。

“3つのことが起こるとき、それまでは信じていなかった人々、または信仰をないがしろにした人々の信仰は益しません。(それら3つとは)日没の方角から昇る太陽、ダッジャール、そして大地の獣です。”3

また、ムスリムは預言者がこう言ったことも記録しています。

“最初の兆候4とは西から現れる太陽、昼前に人々の前に現れる獣であり、それらのうちの片方が先に起これば、もう片方が直ちに続くでしょう。”

そして、次の兆候として大地の獣が現れるのです。

大地の獣

神はクルアーンにおいて述べています。

“彼らに対し御言葉が実現される時、われらは大地から一獣を現わし、人間たちがわが印を信じなかったことを告げさせよう。”(クルアーン27:82)

 この節では、審判の日間近になると現れる大地の獣が言及されています。

獣が現れると、それは人々を識別して誰が信仰者で誰が不信仰者なのかを宣言します。アフマドは預言者が次のように言ったことを、記録しています。

“獣が現れると、人々の鼻に焼印を押し付けるのです。人々はこうした焼印を押された状態で生活を続けなければならず、それはたとえばある人がラクダを購入すれば、こう問われる程でしょう。「誰からそれを買ったのだ?」そして彼はこう応えます。「焼印を押された人からだ。」(アル=アルバーニー)

人々を集める炎

これは大きな兆候の中でも、最後に起きるものです。この後、新たな経験と創造が始まるのです。ムスリムは預言者が10の大きな兆候を述べた後でこう締めくくったことを記録しています。「最後にはイエメンから炎が燃え立ち、人々を合同の場へと追いやるのです。」この炎の規模と、その時代に生きている人々が経験するであろう恐怖に関しては、想像に難くありません。この後人類に残されたことは、復活して主への謁見をすることなのです。

最後に

もちろん、なぜ神がこの創造をそのような驚異的な形で幕を閉じさせるのかということは誰にも分かりません。この創造は実に素晴らしく驚異的なものであるが故に、その終わり方も驚異的であることが似つかわしいのかも知れません。いずれにせよ、クルアーンと預言者はそれらの出来事について述べているため、ムスリムはそれらが将来起きるであろうことを確信しているのです。それらの出来事が発生すると、最後の時が確立されます。そして最後の時になると審判が始まりますが、全人類はもちろん、そのことを既に知っている人々は、いずれ起きるであろうその時のことを念頭に入れ、準備に取り掛からなければなりません。



Footnotes:

1 イブン・ハジャル、ファトフ・アル=バーリー、13巻、84頁。

2 クルアーンにおいて見出すことの出来る、この性質に見合った最良の例は、ファラオのものでしょう。彼は自らの死が明白となると、信仰を宣言したのです。

3 サヒーフ・ムスリム収録の伝承。

4 ここで言われている「最初の兆候」とは、非日常的な兆候のことであり、一般的な兆候ではないと理解されています。言うまでもなく、それらはダッジャール出現とイエス再臨の後に発生するからです。

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