イエスの再臨(4/5)

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説明: 偽メシア後について。啓典の民の誤った宗教の廃止、イエスの元における神の国の樹立、そしてゴグ・マゴグの侵攻。

  • より ジェレミー・ボルター
  • 掲載日時 28 May 2012
  • 編集日時 28 May 2012
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イエスの元に樹立する神の国

The_Return_of_Jesus_(part_4_of_5)_001.jpg偽メシアの殺害は、彼に追従していたキリスト教徒・ユダヤ教徒たちに大きなショックを与えます。彼らは騙されていたことに、ようやく気付くからです。実際、彼を殺したイエスの役割により、生き残ったキリスト教徒たちの大半は、偽メシアが彼ら自身の啓典において予言されていた反キリストだったことを確信するようになります。預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)はこう述べています。

「やがてマリアの子はあなたがたの間に降臨し、(神の法に基づいた1)公正な裁きを下すであろう。彼は十字架を破壊し、豚を殺す…」(サヒーフ・ブハーリー)

十字架の破壊は比喩的あるいは逐語的なものです。つまり教会の偶像および尖塔の十字架の取り壊しや、宗教的シンボルとして十字架のネックレスをすることの禁止、またはユダヤ教徒の扇動によって彼がローマ人によって処刑されたという作り話の否定を意味していると考えられます。同じように、豚を殺すことも比喩的または逐語的なものです。それは豚肉の消費を不可能にさせる、すべての豚の殺処分を許すもの、または単に遠い昔から定められていたように2、神による禁忌の法律を再度施行することを意味するでしょう。

「…そしてジズヤが撤廃されるであろう。」(サヒーフ・ブハーリー)

また、ユダヤ教徒たちの生命が大量に失われた後の彼らの指導者の死は、それが彼らにとっての虚偽の希望であったことを証明します。恐らく偽メシアによる自身の神性の主張は、既に彼らの心中に疑念を生じさせていたのでしょう。彼らが神の導きに立ち返り、ラビに従わないようになることにより、非ムスリムが神の意志に服従せずに済む手段であるジズヤ3の支払いは、イエスによって廃止されることが宣言されます4。ジズヤの支払いが認められないようになることは、ただ一つの宗教以外はすべて根絶されることが明示されています。啓典の民は、イエスが施行するイスラーム法に従うことが求められ、それを拒否する頑迷な者たちは、彼らの廃れた過去の宗教を保持し続けることが許されず、追跡されて処刑されるでしょう。

「終末はムスリムたちがユダヤ教徒たちと戦い、彼らを殺すまでは訪れない。ユダヤ教徒たちは石や木の陰に避難するが、石や木はこう言い出すだろう。『神の僕よ、ここには(頑迷な)ユダヤ教徒がいるぞ。ここに来て彼を仕留めるのだ!』しかしガルカドの木は部分的なユダヤ教徒であるため、それらは口を聞かないだろう。」(サヒーフ・ムスリム)

この段階においては、ムスリムでも啓典の民でもない人々の運命については言及されていませんが、彼らの一部もイエスの統治に入るか、死ぬことになるでしょう。その他の者たちは恐らく、ゴグ・マゴグとされる民によって破滅がもたらされるでしょう。

ゴグとマゴグ5の侵攻

ゴグとマゴグが正確には誰を指すのかは知られていませんが、真正伝承集であるハディース(サヒーフ・ブハーリーとサヒーフ・ムスリム)では、人間の諸国家6のことであるとしています。彼らに関してクルアーンは述べます。

“彼が2つの山の間に来た時、彼はその麓にほとんど言葉を解しない一種族を見付けた。彼らは言った。「ズル=カルナインよ、ヤアジュージュとマアジュージュが、この国で悪を働いています。それで私たちは税を納めますから、防壁を築いて下さいませんか。」”(クルアーン18:93−94)

ズル=カルナインが彼らの要望を(報酬を求めることなく)承諾すると、彼は彼らにこう言います。

“「これは、私の主からの御慈悲である。しかし主の約束がやって来る時、かれはそれを粉々にされよう。私の主の御約束は真実である。」その日われは、人を御互いに押し寄せる波のようにまかせよう。”(クルアーン18:98−99)

これは、イエスは元ユダヤ教徒とキリスト教徒からの忠誠の誓いを受けるものの、彼ら(ゴグ・マゴグ)はその統治下にはない人々であることを示しています。そしてゴグとマゴグこそが、イエスがもたらす平和的な統治の前に襲来する、信仰者たちにとっての最後の脅威となるのです。クルアーンはこう述べています。

“ヤアジュージュとマアジュージュが解放されて、どの丘からも勢いよく下って来る時までは。真実の約束は近付いているのである。見なさい。信仰しない者の目は坐ってきて(言うであろう)。「ああ、情けない。私たちはこのことを疎かにしていました。いや、私たちは不義な者でした。」”(クルアーン21:96−97)

イエスですらゴグとマゴグの襲来には抵抗することが出来ません。まるでイナゴの大群のように、彼らが通過した場所は壊滅的な被害が与えられます。

アブー・サイード・アル=フドリーは、預言者の言葉として、牛や羊を連れたムスリムたちのみが都市や要塞に避難し、猛襲を耐えぬくことが出来るということを伝えています7。そのハディースは以下のものです。

神はマリアの子イエスに啓示を下すであろう。「われは、われの創造の誰一人として戦うことの出来ない人々をもたらそう。トゥール山にわれの崇拝者たちを連れて行くのだ。”(サヒーフ・ムスリム)

The_Return_of_Jesus_(part_4_of_5)_002.jpgゴグとマゴグはそのあまりに巨大な軍勢から、彼らの軍隊の前列が湖から水を飲み、後列がそこを通過する頃になると、こう言って嘆き悲しむ程です。「ここにはかつて水があったのだ。」彼らの要塞と避難地に入ったムスリム以外は皆殺しにされ、このような宣言がされます。「我々は地球の人々を征服した。天国の人々(の打倒)が残るのみである。」そして彼らは天に向けて弓矢を放つと、それらは血まみれになって地上に落ちてくるのです8

ゴグとマゴグは勝利を勝ちとったと勘違いしますが、彼らの傲慢さは凋落につながります。彼らの武器の血は、神からの試練だったのです。次の部では、いかにゴグとマゴグが倒され、その後は何が起こるのかについて述べられます。



Footnotes:

1 クルアーンとムハンマドの慣行に基づいた法であるシャリーアによって、イエスは公正さと正義に満ちた統治をするのです。

2 そのことはトーラーとクルアーンの双方において記録されています。

3 ジズヤとは、啓典の民から徴収される人頭税であり、彼らはそれを収める代わりにイスラーム国家の一員として保護され、信教の自由が認められるものです。

4 神は「アル=フルカーン」という言葉を用いてムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)に啓示されたもの、そしてモーゼとアロン、またその他の預言者たちに啓示されたものに一括して言及しています。律法学者による加筆や解釈によって改ざんされなかった元来の教えの多くは、神の法の最終的な形態である最後の預言者によって制定された法に先行・調和するものです。

5 ゴグとマゴグは、アラビア語ではそれぞれヤアジュージュ・マアジュージュと呼ばれます。

6 預言者は述べています。「あなたがたの中からは二つの国家が現れ、近づく者すべてをその群衆の数によって圧倒するのだ。ヤアジュージュとマアジュージュである。」

7 ムスナド・アフマド

8 ムスナド・アフマド

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