地獄の描写(パート2/5):その様相
- より IslamReligion.com
- 掲載日時 12 Apr 2010
- 編集日時 12 Apr 2010
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その位置
地獄が正確にどこに位置するか、ということに関しての言及は、クルアーンにも預言者ムハンマドのスンナ(言行録)の中にも見出すことが出来ません。その正確な場所は、神以外には知る由もないのです。しかしある学者らは、特定のハディース(預言者ムハンマドの言行録)の語学的典拠や文脈をもとに、地獄が天界にあると述べています。そしてまた別の学者らは、地獄は地面の下部にあるとしています。
その大きさ
地獄はとてつもなく巨大であり、かつ非常に深い場所です。私たちはそのことをいくつかの典拠から、知ることが出来ます。
第一に、数えきれないほどの多くの人々が地獄に入ります。そしてハディースに記述されているところによれば、地獄の住人は皆、ウフド山(マディーナにある山)と同じくらい大きな臼歯を有しているとされます[1]。また地獄の住人どうしの肩の間の距離は、歩いて3日の距離に等しいとも言われています[2]。そして 地獄は、始まりの時からの全ての不信仰者と罪人を収容することが出来ますが、まだそこにはもっと多くの人々のための場所が空いているのです。神はこう仰っています:
「その日、われら(神)は地獄にこう言う:“もう満杯になったか?”するとそれはこう言うのだ:“もっと入れましょうか?”」(クルアーン 50:30)
地獄の火は、数千トンもの穀物を挽く粉砕機になぞらえられます。そして更なる到来者たちを待ち受けるのです。
二番目に、地獄の頂上から投げ落とされた石は、その奥底にまで辿り着くまで非常に長い時間を要します。預言者ムハンマド(彼に神のご慈悲と祝福あれ)の教友の一人は、このように述べています:彼らが預言者と共に座っている時、何かが落ちて行く音を耳にしました。預言者はそれについて彼らに尋ねましたが、彼らはそのことについて何も知りませんでした。それで預言者はこう言いました:
「あれは70年前に、地獄に投げ込まれた石(の音)である。そしてそれは未だに、地獄の途中にあるのだ。」[3]
また別の伝承には、こうあります:
「もし妊娠中の七頭のラクダほど大きい石を地獄の淵から投げてみたとしても、それは70年間たってもその中を飛び続けよう。そしてまだ底にまで到達することがないのだ。」[4]
三番目に、地獄は復活の日、数あまたの天使によって運ばれて来ます。神はそのことについて、こう仰っています:
「そしてその日、地獄が近くに持って来られる…」(クルアーン 89:23)
また、預言者はこう言っています:
「地獄はその日、70,000もの手綱によって持って来られる。そしてその各手綱は、70,000もの天使によって引かれるのだ。」[5]
四番目に、地獄の巨大さを示す別の伝承として、復活の日には地獄において、太陽と月が包み込まれるというものがあります。[6]
そのレベル
地獄にはその暑さと懲罰において、様々な段階があります。そしてそのいずれも、そこで罰される者たちの不信仰や罪の程度に比例したものとなります。神はこう仰っています:
「実に偽信者らは、地獄の最下層にある。」(クルアーン 4:145)
地獄の階層は低ければ低いほど、その暑さも激しいものとなります。偽信者たちは最悪の懲罰を受けることになることから、地獄の最下層に留まることになるのです。
神は地獄の階層に関し、クルアーンの中でこう仰っています:
「全ての者には、行ったことに応じて段階があろう。」(クルアーン6:132)
「神のご満悦を追及する者は、神のお怒りを受ける者と同様であろうか?その住まいは地獄なのである。何と悲惨な行き先であることか!彼らは神の御許で、様々な段階にある。神は彼らの為すことを全てご覧になられるのだ。」(クルアーン3:162−163)
地獄の門
神はクルアーンの中で、地獄の七つの門について言及されています:
「そして実に地獄は、彼ら全てに約束された場所である。そこには七つの門があり、その各々に罪人たちの一団が割り当てられるのだ。」(クルアーン15:43−44)
各門には、そこから地獄に入る人々の一定の割り当てがあります。各々は自らの行為に応じた入り方をし、かつそれに応じた地獄の階層を割り当てられます。不信仰者が地獄にまで連れて来られる時、その門は開きます。そして彼らはそこに入り、その中に永遠に留まるのです:
「そして不信仰者たちは一団となって地獄へと導かれる。そしてそこに到着するとその門々が開かれ、その番人は彼らにこう言う:“一体あなた方の内の者から、あなた方に主のみしるしを読み聞かせ、この日の到来を警告する使徒たちは遣わされなかったのか?”すると(彼らは)言う:“確かに来ました。”しかし(この日)不信仰者たちに対しての懲罰は既に確定したのである。(彼らには)こう言われる:“地獄の門々から入るのだ。あなた方はそこに永遠に留まる。(真理から)傲岸であった者たちの住処の、何と忌まわしいことであろうか?”」(クルアーン 39:71-72)
そしてそこへ入る許可が出された後、彼らにはこう言われるのです:
「地獄の門々から入るのだ。あなた方はそこに永遠に留まる。(真理から)傲岸であった者たちの住処の、何と忌まわしいことであろうか?」(クルアーン39:72)
その後、地獄の各門は閉じられます。そして神がこう仰られるように、そこから逃亡する希望は断たれるのです:
「しかしわれら(神)のみしるしを拒絶する者は、左手の輩。彼らの周囲は、炎で塞がれている(つまり、各門は閉じられている)。」[7](クルアーン 90:19−20)
更に、神はクルアーンの中でこう仰ります:
「蔑み、嘲笑う全ての者に災いあれ。財を集め、それを数え上げる(ことに熱中する)者。彼はその財産が、自らを永遠にすると思い込んでいる。いや、決してそうではない。彼らは全てを焼き尽くす炎の中に投げ入れられよう。そして全てを焼き尽くす炎とは何か?燃え上がる神の炎である。(地獄は)彼らを閉じ込めて塞がっている。伸びた鉄の針々によって(門が塞がれているのだ)。」(クルアーン104:1−9)
尚地獄の各門は、審判の日以前にも閉じられていることがあります。イスラームの預言者ムハンマドは、それらがラマダーン月の間には閉じられていると伝えています。[8]
その燃料
石や頑迷な不信仰者らが、地獄の燃料となります。神はこう仰っています:
「信仰する者たちよ、あなた方自身とあなた方の家族を地獄の業火(へと招くような事柄)から守るのだ。その燃料は人間と石であり…」(クルアーン66:6)
「…そして地獄を恐れよ。その燃料は人間と石であり、不信仰者たちのために用意されている。」(クルアーン2:24)
また、神を差し置いて崇拝されていた多神教の崇拝物もまた、地獄の燃料の一つとなります:
「あなた方と、あなた方がアッラーを差し置いて拝していたものは、地獄の業火の燃料となるのだ。あなた方はそこに入ることになろう。もしそれらが(真の)神々であったなら、それらはそこに入ったりはしなかっただろう。しかしあなた方は皆、そこに永遠に留まるのである。」(クルアーン21:98−99)
その住人の衣服
神は、地獄の住人の衣服が炎で仕立てられたものとなることを、仰られています:
「…しかし不信仰者たちは(地獄の)炎から出来た衣服を着せられ、その頭上から煮えくり返る熱湯を注がれる。」(クルアーン22:19)
「そしてあなた方は罪深い者たちがその日、(鎖や枷で)がんじがらめにされているのを見るであろう。タールの衣服をまとわされ、彼らの顔を炎が覆う。」(クルアーン 14:49−50)
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