イスラームにおける人権(上):全人類の権利

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説明: 人権における権力と政治。

  • より アーイシャ・ステイシー
  • 掲載日時 29 Apr 2013
  • 編集日時 20 Jan 2019
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Human_Rights_in_Islam_(part_1_of_3)_JP_001.jpg人権とは何なのでしょう。生きる権利でしょうか。それとも、自由、解放、公正の権利でしょうか。人権には安全や避難所の権利も含まれるのでしょうか。第二次世界大戦から、西洋の国際政治は人権に重きをおいてきましたが、現実として人権保護と統治の維持の間の線はぼやけてきています。人権に関わる権力や政治は西洋の理想にばかり目をむけ、普遍的な理想のことは考えていないようです。多くの人が人権理念は西洋のモラルにおける帝国主義を広める道具にすぎないと主張しています。

奪うことのできない人権があるということを否定する人はいませんが、ではその権利とは何なのか、ということは激しい議論の的です。個人の権利や自由を尊重する文化もあれば、共同体の存続に重きを置く文化もあります。世界には様々な国家や部族がいるので、人間によって作られた方や協約は、たとえそれがどんなに立派なものであっても、世界全体に受け入れられるということはありません。

神はクルアーンの中でこう言っています。

“人びとよ,われは一人の男と一人の女からあなたがたを創り,種族と部族に分けた。これはあなたがたを,互いに知り合うようにさせるためである。”(クルアーン49章13節)

この節から、国家同士の交流は当然のことでむしろ望ましいことだと分かります。しかし、人間の性質として時に妬みを抱いたり、自己中心的になってしまいます。イスラームでは人間の気まぐれな性質を考慮し、導きとしての創造主を頼ります。イスラームでは人権と責任が大事にされ、シャリーア(法規制)の基本となっています。

世界では間違いなく、ときに宗教の名のもとで、そして悲しいことですがイスラームの名のもとで人権が侵害されています。しかし重要なのは、その国家がイスラーム教徒の国家だからといって、その国が神の教えに従っているとは限らないということを理解することです。全てのイスラーム教徒がイスラームを理解し、それに従っているとは限りません。文化が行動を支配してしまうこともあります。これは全ての宗教にあてはまることです。歴史的に見ても、人々はひどい行いを正当化するために神の名を使うことがありました。

この地球は21世紀に入り、戦争、飢餓、社会的混乱に見舞われ、それゆえに現在のキャッチフレーズには解決、自由、民主主義、仲介といったものが使われてきました。人権が最高のものとされたのです。政府や非政府組織、宗教組織などの義援金組織は平等と犯されるべきではない人権について議論してきました。国連は理解と協力的行動ののろしをあげるべく設立されましたが、実際はほとんどの問題で合意できず、合意できた解決法を実施できない無力な存在です。

1400年以上前に神が全人類の導きであるクルアーンを下し、神は預言者ムハンマドを最後の預言者として選びました。彼は人々を寛容、尊敬そして公正へと導くことができる人物だったのです。クルアーンの言葉と預言者ムハンマドの言行録には人間が神に与えた権利と義務が含まれています。それは人間の気まぐれや男女の欲望に左右されず、無理矢理国境や政府によって変えられるものではありません。

国連は1948年に世界人権宣言を発表しました。この宣言には30か条あり、普遍的に守られるべき基本的権利と「人権への普遍的尊重と観察、そして基本的な自由」を推奨すべく作られたと説明されています。国連の人権委員会はこのような権利は、性別、民族、信仰、肌の色に関わらず人間の本質的なものであり、不可分で相互依存のものと説明しています。以後60年間、他の協約や委員会が作られてきましたが、それらはすべて、様々な社会の様々なグループの権利を確保するためのものでした。

イスラームには個人的人権と自由を守る規制もありますが、個人の自由が共同体の権利を侵害することは許されません。イスラームの教義は尊敬と寛容と公正と平等を意識しており、個人の権利と自由は唯一神への信仰に基づいています。人間が平和と安全に生きる為には神の教えに従わなければならないのです。

イスラーム教徒は神が唯一の創造主であり、人間と地球の保護者と信じています。神は全ての人間に尊厳と栄誉を与え、人権は神に与えられた特典なのです。一人の人間が他の誰かよりも保護の権利を多く有するということはありません。人間のすべてが糧、住居、安全を得る権利があり、もしそれを持たない人間がいるならば、他の人々がその人にそれらを与える努力をする義務があるのです。

“あなたがた信仰する者よ,アッラーのために堅固に立つ者として,正義に基いた証人であれ。人びとを憎悪するあまり,あなたがたは(仲間にも敵にも)正義に反してはならない。正義を行いなさい。それは最も篤信に近いのである。アッラーを畏れなさい。アッラーはあなたがたの行うことを熟知なされる。”(クルアーン5章8節)

人権擁護団体は、権力者たちによって支配されています。法規制と実施できない協約は虐げられた人々を救うことはできません。しかしイスラームでは、神は全ての人間を平等に扱い、神への服従によって本当の人権が達成できるとします。次の記事では世界人権宣言の30か条を調べ、イスラームの見地と21世紀の生活の現実と比べます。

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