本能、科学、そして宗教(前半):動物界の自己犠牲

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説明: 自己犠牲のような本能は科学的に説明不可能であり、ダーウィンの自然淘汰説を覆すものです。前半:本能の問題、そして動物界からの例。

  • より A.O.
  • 掲載日時 26 Sep 2011
  • 編集日時 30 Sep 2018
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Instincts__Science__and_Religion_(part_1_of_2)_001.jpg生物は、その存続のために繁殖しなければなりません。しかし繁殖するだけでは足りないことが証明されています。なぜなら、生物がその子孫に適切な世話を与えなければ、幼体は生き残ることが出来ないからです。言い換えるなら、もし生物が子孫の世話と保護の必要性を感じず、それを上手く行えないなら、幼体は自分では何も出来ずにすぐに死んでしまうということです。

自然界を見渡してみると、生物の大半は子孫の保護、そしてそれらへの最善の世話をするために驚くべき自己犠牲をすることが分かります。それは時に、人間によって行われるいかなるものとも比較し得ないような自己犠牲を伴なう形で行われます。さらに、これらの生物は、子供の為には一瞬も躊躇することなく自らの命を危険に晒すのです。では、こうした動物による自己犠牲はどのように発達したのでしょうか。

進化論者たちは、生物による自己犠牲(特に子供に対するもの)は本能的行為であると主張します。ここで用いられる本能とは、何を意味するのでしょうか。

進化論者たちによる本能の定義は、生物に本来備わっている直感的感覚であるとされています。彼らによれば、蜘蛛、鳥、ライオンや小さな昆虫などの内なる声が、種の維持のために自己犠牲をするようささやくのだ、といいます。こうした内なる声の起源についての質問に対し、彼らはそれを「マザー・ネーチャー(母なる自然)」であると言い張るのです。進化論者たちの見解としては、自然界におけるあらゆる現象は、自然の奇跡であるのするのです。

しかし、自然はそれ自体が石や花、木、河川、山々などの、私たちと同じ創造物であるため、こうした主張が空虚で無意味なのは明らかです。これらの存在から新たな特質を持つ生物が生み出されることが不可能なのは明白です。そうしたのは「理性的存在」だからです。

事実、ダーウィン自身も最も早い時期からこの論理的破綻に気付いていました。彼は1859年の著作「種の起源」において、自身の説に対する疑念を次のような言葉で言い表しています:

「今や、それを別問題として扱うことがより都合が良いと考えるようになった。特にミツバチが巣を作る素晴らしい本能について、それが私の説を完全に覆す十分な根拠として読者の多くの頭をよぎったかも知れない。」(チャールズ・ダーウィン 種の起源、233頁)

科学者達による生物研究の結果、それらが組織的な共同作業を行なう驚異的な調和の中で生きていることが判明しました。自然の中に目をやると、それがどこであれ同じようなことを発見することが出来るはずです。例えば小鳥たちは、鷹や鷲のような狩猟鳥が群れに近づくと甲高い警告の鳴き声を発し、仲間たちに危険を知らせます。しかしそうすることにより、鳴き声を発した鳥は敵の注意を自分に引き付けることになるのです。この行為は、警告音を発した鳥自身の生存率を相当に引き下げるものです。それにも関わらず、そうした鳥は群れの鳥達の生命を守るため、自らの生命のリスクを背負うのです。

動物の大多数は、子供のためにはありとあらゆる自己犠牲をいといません。その例として、北極圏の冬季におけるペンギンの孵化期間が挙げられます。雌ペンギンは卵を一個だけ産み、オスに孵化を任せて海に戻ります。数カ月間に渡る孵化期間中、雄ペンギンたちは時には風速120キロにも及ぶ猛烈な北極の嵐を耐え抜かねばなりません。卵を見捨てることなく、丸四ヶ月に渡る大きな犠牲を払う雄ペンギンは、餌の欠乏から体重の半分を失います。それが数カ月続くにも関わらず、餌の捕獲をせず、卵を守り続けるのです。四ヶ月が過ぎると雌ペンギンは大量の餌を抱えて戻ってきます。雌は時間を無駄に過ごしていたわけではなく、餌の備蓄のために働いていたのです。雌は胃の中を空にすると、子供の世話役を買って出ます。

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