聖書におけるムハンマドの予示(2/4):旧約聖書におけるムハンマドの予示

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説明: ムハンマドが偽預言者ではないことを示すバイブルからの証拠。第二部:申命記18:18にて触れられている予示に関する議論と、ムハンマドとその予示の適合性について。

  • より IslamReligion.com
  • 掲載日時 05 Dec 2009
  • 編集日時 05 Dec 2009
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申命記18:18“わたし(神)は彼らのために、同胞の中からあなた(モーゼ)のような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。彼はわたしが命じることを全て彼らに告げるであろう。”

キリスト教徒の多くは、モーゼによるこの予言がイエスに関するものであると見なしています。実際にイエスは旧約聖書において予言されてはいましたが、以下に明確にされるよう、ここでの予言は彼には当てはまりません。そしてむしろこの予言は、ムハンマド(彼に神の称賛あれ)により適合するのです。モーゼの予言とは以下の通りです:

1.新預言者はモーゼのようである

比較対象

モーゼ

イエス

ムハンマド

出生

通常出生

奇跡的出生・処女懐胎

通常出生

使命

神の預言者

神の子と言われる

神の預言者

両親

父と母

母のみ

父と母

家族生活

結婚し子供をもうける

未婚

結婚し子供をもうける

人々による承認の有無

ユダヤ人たちによる承認

ユダヤ人たちによる拒否1

アラブ人たちによる承認

政治的権威

政治的権威を得た(民数紀15:36)

政治的権威を拒否2

政治的権威を得た

敵への勝利

ファラオへの勝利

はりつけにされたという説あり

マッカ軍への勝利

自然死

はりつけにされたという説あり

自然死

埋葬

墓地埋葬

墓の中にはいない

墓地埋葬

神性

無し

キリスト教徒にとっては神性あり

無し

布教開始の年齢

40

30

40

地上における復活

無し

復活すると言われる

無し

2.待望された預言者は、ユダヤ人の兄弟からの出自である

この節では、待望された預言者がユダヤ人の兄弟から出現するということが明確にされています。アブラハムにはイシュマエルとイサクという二人の息子がいました。ユダヤ人の祖はイサクの息子、ヤコブであり、アラブ人の祖はイシュマエルです。よって、アラブ人とユダヤ人とは兄弟3なのです。バイブルはこう確言しています:

“そして彼(イシュマエル)は全ての兄弟と共に暮らすであろう。”(創世記16:12)

“そして彼(イシュマエル)は全ての兄弟の面前で死んだ。”(創世記25:18)

イサクの息子たちはイシュマエルの子孫の兄弟なのです。同様に、アブラハムの息子であるイシュマエルの子孫であるムハンマドも、イスラエルの子孫の血統なのです。

3.神は待望されている預言者の口に、かれの言葉を授ける

クルアーンはムハンマドに関してこう述べています:

“また彼は(自分の)望むことを言っているのでもない。
それは彼に啓示された、御告げに他ならない。”(クルアーン53:3−4)

そしてこれは創世記の18:15にごく似通っています。

“わたし(神)は彼らのために、同胞の中からあなた(モーゼ)のような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。彼はわたしが命じることを全て彼らに告げるであろう。”(申命記18:18)

預言者ムハンマドは全人類への教えを携えて遣わされましたが、その中にはもちろんのことユダヤ教徒も含まれています。ゆえに、ユダヤ教徒を含む全ての人々は彼の預言者性を認めなければなりません。これは次の言葉によって立証されています:

“あなたの神、主は、あなたの内から、あなたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたのために起こされる。彼に聞き従わなければならない。”(申命記18:15)

4.拒絶者への忠告

予言は続きます:

申命記18:19“わたしの名によって彼が告げるわたしの言葉に聞き従わない者があれば、わたしが彼に責任を問う。”(別の翻訳版では“わたしが報復者になる”となっています)。

興味深いことに、ムスリムはクルアーンの全ての章の始まりを次のように神の御名において開始します:

ビスミッラーヒッ=ラフマーニッ=ラヒーム

“慈悲あまねく慈愛深きの御名において。”

以下では、この予言がムハンマドに適合すると主張する学者たちの説明を見て行きましょう。

第一の証言者

元聖職者のデービッド・ベンジャミン・ケルダニ神学士、アブドル=アハド・ダーウードは、ローマ・カトリック教会ユニエイト・カルデア派の祭司でした(彼の伝記はここで読むことが出来ます)。イスラームに改宗後、彼は‘バイブルの中のムハンマド’という本を著し、この予言に関して次のように述べています:

“もしもこれらがムハンマドに当てはまらないのであれば、それら(の予言)は今だに果たされていないことになります。イエスは、ここでほのめかされている預言者であるとは一度も主張しませんでした。彼の弟子たちでさえ、同じ見解を持っていました:彼らは予言の成就として、イエスの再臨を心待ちにしていたのです(使徒の働き3:17−24)。イエスの最初の降臨が、‘あなたのような預言者’の出現ではないことが確実である限り、その再臨もまた予言の成就であるとはとても考えられないでしょう。イエスは、彼の教会が信じるように審判者として現れるのであり、立法者として再降臨するのではないのです。一方‘約束された者’は‘猛烈な法’を右手に携えて出現するとされているのです。”4

第二の証言者

ムハンマド・アサドはレオポルド・ワイスとして、1900年7月に当時のオーストリア帝国支配下にあった現在のポーランド領内リヴィウ(ドイツ語ではレンベルク)に生まれました。彼は先祖代々ラビの家系に生まれましたが、その流れは法廷弁護士になった彼の父親によって断たれました。一方でアサド自身はラビの家系の伝統復活の望みを託され、徹底した宗教教育を受けました。彼は若くしてヘブライ語を堪能に話し、アラム語も熟知していました。彼は旧約聖書の原本、およびミシュナーとゲマーラーによるタルムードのテキストと注釈を学び、またタルグーム5という聖書の訳書の研究も行なっています。

次のクルアーンの節に関して、ムハンマド・アサドは記しています:

“嘘をもって真理を上塗りしたり、また(確かに)知っていながら、真理を隠蔽してはならない。”(クルアーン2:42)



Footnotes:

1 ヨハネ1:11。

2 ヨハネ18:36。

3 ‘Muhammad: His Life Based on the Earliest Sources’ マーティン・リングス、1−7頁。

4 156頁。

5 ‘Berlin to Makkah: Muhammad Asad’s Journey into Islam’ イスマイール・イブラーヒーム・ナウワーブ、サウジ・アラムコマガジン2002年1月/2月号。

6 ‘The Message of The Quran’ ムハンマド・アサド、(Gibraltar: Dar al-Andalus, 1984)、10−11頁。

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